講座 Q&Aで綴る画像診断学再考(第16回)
肝臓を考える(その1)
山下 康行
1
1熊本大学大学院医学薬学研究部 放射線診断学部門
pp.572-578
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100198
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Q君はK大学の後期研修医.毎週たくさんの患者さんが入ってくる.今週も数名の新患の入院があった.
症例呈示1
Q君 50歳台,男性の患者さんです.B型キャリアの患者さんで,急激な腹痛と腹部膨満で入院されました.採血上肝機能障害がみられ,アルファフェトプロテインも158万と異常高値です.腹水がみられ,肝臓には凹凸不整がみられます.また肝表に突出するような動脈相でよく濃染される腫瘍を認めます(図1).
Y教授 腫瘍と腹痛や腹水との関係は?
Q君 症状からしますと腹水はおそらく肝細胞癌の破裂によるものではないか考えています.
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