Japanese
English
症例報告
黄色肉芽腫性胆嚢炎を合併した早期胆管癌の1例
A case of early bile duct carcinoma presented with xanthogranulomatous cholecystitis
石渡 裕俊
1
,
林 毅
1
,
吉田 真誠
1
,
加藤 淳二
1
,
木村 康利
2
,
平田 公一
2
,
長谷川 匡
3
Hirotoshi ISHIWATARI
1
,
Takeshi HAYASHI
1
,
Makoto YOSHIDA
1
,
Junji KATO
1
,
Yasutoshi KIMURA
2
,
Koichi HIRATA
2
,
Takumi HASEGAWA
3
1札幌医科大学 第4内科
2札幌医科大学 第一外科
3札幌医科大学 病理部
1Department of Internal Medicine 4,Sapporo Medical University,Sapporo
2Department of Surgery 1,Sapporo Medical University,Sapporo
3Department of Pathology,Sapporo Medical University,Sapporo
キーワード:
黄色肉芽腫性胆嚢炎
,
早期胆管癌
,
胆道鏡
Keyword:
黄色肉芽腫性胆嚢炎
,
早期胆管癌
,
胆道鏡
pp.340-347
発行日 2009年5月15日
Published Date 2009/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1428100163
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要旨
患者は65歳,男性.63歳時にUSで胆管内腫瘤を指摘されていたが,胆泥として放置されていた.急性胆嚢炎で近医に入院した際に,胆管腫瘤を指摘されて当院に紹介され入院となった.胆嚢体底部は著明に肥厚し,US,EUSでは内部に高エコー域を有し,造影CTでは壁は全体に造影されたが,一部に造影不良域を認め,同部位はMRIでT1低信号T2高信号を示した.ERCPで中部胆管に透亮像を認め,生検で高分化型腺癌であった.PTCSで中部胆管に乳頭状腫瘍を認め,肝側は後区域枝分岐部まで顆粒状変化を認めた.乳頭型胆道癌,黄色肉芽腫性胆嚢炎と診断し,拡大肝右葉切除術を施行した.病理標本では,腫瘍は胆嚢管から中部胆管に存在し,中部胆管の一部で線維筋層まで浸潤を認め,中部胆管から胆嚢管に進展した中部胆管癌と診断した.肝側は肝内後区域枝まで,上皮内癌,あるいは高度異型上皮がみられた.胆嚢は黄色肉芽腫性胆嚢炎であった.
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