Japanese
English
症例報告
過形成の併存と脂肪置換により診断に苦慮した通常型膵癌の1例
A Case of Ductal Cell Carcinoma of the Pancrcas, with Fatty Change and the Existence of Mucin-Producing Tumor of the Pancreas, which Can be Diagnosed Difficulty
伊澤 功
1
,
水上 裕輔
1
,
柳川 伸幸
1
,
丹野 誠志
1
,
小原 剛
1
,
高後 裕
1
,
竹村 清一
2
Tsutomu IZAWA
1
,
Yusuke MIZUKAMI
1
,
Nobuyuki YANAGAWA
1
,
Satoshi TANNO
1
,
Takeshi OBARA
1
,
Yutaka KOHGO
1
,
Seiichi TAKEMURA
2
1旭川医科大学第三内科
2帯広市立病院内科
1Third Department of Internal Medicine, Asahikawa Medical College
2Obihiro City Hospital
キーワード:
膵管癌
,
脂肪置換
,
粘液産生膵腫瘍
Keyword:
膵管癌
,
脂肪置換
,
粘液産生膵腫瘍
pp.511-517
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900318
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患者は71歳,女性.CA19-9の上昇を契機に行った腹部超音波検査で主膵管の拡張を指摘された.ERPで主膵管は膵体部で軽度拡張し,膵頭部では硬化所見を認め同部位からの生検で高分化型腺癌が得られた.また下頭枝に嚢胞状拡張と粘液透亮像を認めた.CTでは膵に明らかな腫瘤は描出されなかったが,EUSで膵頭部は境界不明瞭な島状の低エコー域を伴う著明な高エコーパターンを呈し,膵鈎部にはブドウの房状の嚢胞性病変を認めた.切除標本病理所見では膵頭部主膵管に広い範囲で上皮内癌を認め,脂肪置換した膵実質内に高分化型腺癌が浸潤していた.拡張した下頭枝は過形成上皮から成り,粘液産生を伴っていた.同一膵内に多彩な組織像が混在し,また著明な脂肪置換を伴っていたため術前の画像診断が困難であった.
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