技術講座 超音波技術の新しい展開
造影超音波検査による血流診断
唐澤 英偉
1,2
1東京女子医科大学
2消化器病センター放射線科
pp.519-524
発行日 2001年7月15日
Published Date 2001/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900319
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●何故,造影超音波検査が必要か
カラードプラの登場により,臓器の血流診断が非侵襲的かつ簡便に施行できるようになった.消化器疾患においては,カラードプラの有用な症例が数多く見られる.例えば,HCCをはじめとする肝腫瘍,隆起型の胆嚢癌,豊血性の膵腫瘍,門脈圧亢進の血流動態の診断などである.しかし,いくつかの問題点があり臨床で十分に活用されていない.
カラードプラの主な問題点は,①深部血流の描出が不十分である(図1),②微細な血管の血流の検出が難しい(図2),③臓器実質内を灌流する血流の検出が困難である.さらに種々のアーチファクト(flash, clatter)が見られ(図3),血流との鑑別を必要とする,などである.そこで,CTやMRIなどと同様に造影剤を使用してこれらの問題を克服することが考えられる.造影超音波では,超音波造影剤とこれに対応した超音波技術を両輪の輪として,さらに臨床的な血流動態の理解が必要である.
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