Japanese
English
連載 初心者のための超音波診断―体外式US・13
腹腔の読み方
Sonographic Findings of the Peritoneal Cavity
森 秀明
1
Hideaki MORI
1
1杏林大学医学部第3内科
キーワード:
腹腔
,
超音波解剖
Keyword:
腹腔
,
超音波解剖
pp.118-123
発行日 2001年1月15日
Published Date 2001/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900263
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
腹腔の超音波解剖
腹膜は腹腔の内面を覆う漿膜で,壁側腹膜と臓側,腹膜から成る.この壁側腹膜と臓側腹膜により囲まれた腔を腹腔と呼び(図1),結腸間膜により上結腸間膜腔と下結腸間膜腔に分けられる.上結腸間膜腔は左右の横隔膜下腔から成る.右の上結腸間膜腔には横隔膜下腔のほかに前および後方の肝下腔があり,後方はモリソン窩と呼ばれている.また上結腸間膜腔には肝,小網,胃の後方で,膵の前方に網?と呼ばれる部があり,網嚢孔により腹腔と交通している.下結腸間膜腔は傍結腸溝(傍結腸腔),結腸下腔,骨盤腔から成る.傍結腸溝は上行および下行結腸により左右に分けられ,右方はモリソン窩と交通している.結腸下腔は腸間膜根部により左右に分けられる.骨盤腔は左右の傍結腸溝と連続しており,女性では膀胱と子宮の間に膀胱子宮窩,子宮と直腸の間に直腸子宮窩(ダグラス窩),男性では膀胱と直腸の間に直腸膀胱窩が認められる.
壁側腹膜と臓側腹膜を合わせたものを間膜と呼び,前胃間膜,後胃間膜,網嚢,腸間膜,結腸間膜に分けられる.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.