特集 ts1浸潤性膵管癌の診断と治療成績
座談会
ts1膵癌をめぐって
川原田 嘉文
1
,
渡辺 英伸
2
,
須田 耕一
3
,
柳澤 昭夫
4
,
中山 吉福
5
,
山雄 健次
6
,
有山 襄
7
1三重大学医学部第一外科
2新潟大学医学部第一病理
3順天堂大学医学部第一病理
4(財)癌研究会癌研究所病理
5福岡大学医学部第一病理
6愛知県がんセンター内視鏡
7順天堂大学医学部内科
pp.829-840
発行日 1999年11月15日
Published Date 1999/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900120
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有山(司会) 本日は浸潤性膵管癌を取り上げますが,厚生省の統計によると膵管癌は増え続けており,1995年の統計では1年間に,男性が約9,000人,女性は7,000人,計16,000人が膵管癌で亡くなっています.これは30年前に比べると,男女とも6倍ぐらいに増加しています.一方,膵癌全国登録調査報告を見ると,膵癌の遠隔治療成績はあまり上がっていないのが実情です.拡大手術で切除率は向上したのですが,島細胞癌,嚢胞腺癌を除く症例の5年生存率はTS1が38.8%,TS2が13.7%で遠隔成績は向上していません.
小さい膵癌を診断すればStageが早いものが多いことは明らかですが,95年の統計ではTS1膵癌が6.2%と非常に少なく,TS1の頻度がほとんど上がっていません.
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