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特集 進行胆嚢癌の手術適応―画像と治療
序/進行胆嚢癌の進展様式
Modes of Spread in Advanced Gallbladder Cancer
近藤 哲
1
Satoshi KONDO
1
1北海道大学医学部第二外科
1Department of Surgery II, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
進行胆嚢癌
,
進展様式
Keyword:
進行胆嚢癌
,
進展様式
pp.619-625
発行日 1999年9月15日
Published Date 1999/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427900093
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本特集のねらい
胆嚢癌は,本誌第1巻第2号で特集された(肝門部)胆管癌と同じ胆道癌ではあるが,その病態は全くそれらとは異なる.胆管癌は胆嚢癌に比べると腫瘍量がはるかに小さいうちから狭小な胆管内腔を閉塞して黄疸という特異的な症状を呈する.したがって,隣接脈管以外の他臓器浸潤は少なく,初診時すでに遠隔転移を伴っていることもほとんどない.一方,胆嚢癌が黄疸をきたす場合には,胆嚢外に進展してさらに胆管に浸潤することになるので,より進行した状態で発症することになる.また,黄疸を発症しない場合には腹痛,圧迫感などの大きな腫瘤による症状で発症することになり,やはり胆管癌よりはるかに進行した状態で診断される.初診時すでに末期癌とも言うべき状況のことも少なくない.
進行胆嚢癌の予後は極めて不良とされており,しばしばその手術適応について悩むことがある.画像診断と手術治療の両者の実態を把握できて初めて手術適応を決定することが可能になるわけであるが,従来まではそのどちらか一方についてしか,しかも進行胆嚢癌については特集されることはほとんどなかった.そこで,進行胆嚢癌の種々の進展因子につき画像でどの程度まで診断でき,そのおのおのに対して手術でどこまで治療できるのかという情報を提供することを本特集の目的とした.
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