技術講座 超音波技術の新しい展開
エコー下穿刺―特に肝癌のラジオ波治療
春日井 博志
1
,
井上 敦雄
1
,
松永 隆
2
1大阪府立成人病センター第三内科
2大阪府立成人病センター臨床検査科
pp.114-118
発行日 2003年1月15日
Published Date 2003/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100523
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はじめに
わが国における肝細胞癌(以下,肝癌)の治療法には,大きく分けて,肝切除術,経動脈治療,経皮的局所治療の3つがある.
一般的に,腫瘍が単発で肝機能が比較的良好の場合には肝切除術が最も根治的で有効な治療法である.しかし,肝癌の大部分は肝硬変を伴い,しばしば多発であるため切除不能のことが多い.肝癌が多発している場合には肝動脈塞栓術(TAE)や肝動注療法(TAI)などの経動脈治療が適応となるが,腫瘍が概ね3cm以下,3個以内の場合には経皮的治療の適応となる(表1).
わが国では,慢性肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患患者や,治療後の肝癌患者を定期的に検査することにより,肝癌が早期発見される機会が多く,経皮的治療の適応となる症例が次第に増加してきている.
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