Japanese
English
症例報告
膵石症の長期経過中に浸潤性膵管癌と破骨細胞型巨細胞癌(giant cell carcinoma of osteoclastoid type)を合併した1例
A Case with the Double Cancer of Ductal Invasive Cancer and Giant Cell Carcinoma of Osteoclastoid Type of the Pancreas Associate with Pancreatic Caliculi
泉 誠
1
,
竜 崇正
1
,
趙 明浩
1
,
川島 太一
1
,
高山 亘
1
,
岡田 正
1
,
平田 哲士
2
,
須藤 一久
2
,
古木 新
2
Makoto IZUMI
1
,
Munemasa RYU
1
,
Akihiro CHO
1
,
Taichi KAWASHIMA
1
,
Wataru TAKAYAMA
1
,
Tadashi OKADA
1
,
Tetushi HIRATA
2
,
Kazuhisa SUDOU
2
,
Arata Furuki
2
1千葉県立佐原病院外科
2千葉県立佐原病院病理部
1Division of Surgery,Chiba Prefectural Sawara Hospital
2Division of Pathology,Chiba Prefectural Sawara Hospital
キーワード:
膵石症
,
膵癌
,
浸潤性膵管癌
,
膵破骨細胞型巨細胞癌
Keyword:
膵石症
,
膵癌
,
浸潤性膵管癌
,
膵破骨細胞型巨細胞癌
pp.105-111
発行日 2003年1月15日
Published Date 2003/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100522
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要旨 患者は52歳の男性.27歳より膵石を指摘されていた.背部痛を主訴に来院した.膵頭部から膵尾部の主膵管に多数の大結石が充満し,膵体部に3cm大の限局性腫大を認めた.腫大部分は造影CT早期相で濃染されず,後期相で染まったことより,通常型膵管癌と診断した.25年間の大結石型膵石症の長期経過中に発生した膵体部癌の診断にて膵体尾部切除を施行した.病理組織所見では高分化型管状腺癌であった.また腫瘍の中心に小結石が存在した.膵体部の腫瘍は通常型の浸潤性膵管癌であったが主膵管への癌の露呈はなかった.またこの主腫瘍とは別に,膵尾部の主膵管内に15mm大の隆起性病変がみられた.病理組織学的には破骨細胞型巨細胞癌(giant cell carcinoma of osteoclastoid type)であった.膵実質への浸潤はみられなかった.両者に連続性はなく,組織の移行像もなかったことから,同時性膵多発癌と診断した.
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