Japanese
English
特集 稀な肝悪性腫瘍―画像と病理
門脈からも血流を受けていたびまん型肝血管肉腫
Diffuse Infiltrating Hepatic Angiosarcoma Fed by Both Hepatic Artery and Portal Vein
岩崎 隆雄
1
,
三上 恵美子
1
,
菅野 記豊
1
,
西岡 可奈
1
,
小暮 高之
1
,
守時 由起
1
,
近藤 泰輝
1
,
千葉 正典
1
,
長崎 太
1
,
矢作 嘉一郎
1
,
上野 義之
1
,
下瀬川 徹
1
,
黒川 良望
2
,
遠藤 希之
3
Takao IWASAKI
1
,
Emiko MIKAMI
1
,
Noriatsu KANNO
1
,
Kana NISHIOKA
1
,
Takayuki KOGURE
1
,
Yuki MORITOKI
1
,
Yasuteru KONDO
1
,
Masanori CHIBA
1
,
Futoshi NAGASAKI
1
,
Kaichirou YAHAGI
1
,
Yoshiyuki UENO
1
,
Tooru SHIMOSEGAWA
1
,
Yoshimochi KUROKAWA
2
,
Mareyuki ENDOH
3
1東北大学大学院医学系研究科消化器病態学
2東北大学大学院医学系研究科先進外科学
3東北大学医学部付属病院病理部
1Department of Gastroenterology,Tohoku University Graduate School of Medicine
2Advanced Surgical Science and Technology,Department of Surgery,Tohoku University Graduate School of Medicine
3Department of Pathology,Tohoku University Hospital
キーワード:
肝血管肉腫
,
門脈
,
肝動脈
,
栄養血管
Keyword:
肝血管肉腫
,
門脈
,
肝動脈
,
栄養血管
pp.523-530
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100441
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要旨 全肝びまん性に進展した肝血管肉腫という稀有な症例に遭遇した.しかもこの腫瘍は,ある領域は肝動脈から栄養され,ある領域は門脈から栄養され,あるいは双方から栄養されるという特異な血行動態を持っていることが,血管造影,CTAP,CTA等によって確認された.病理組織学的には,腫瘍は細胞自体の異型性は目立たないものの,類洞内をびまん性に進展していた.生物学的悪性度は比較的低いものの,血管内皮由来であるがゆえに類洞内をびまん性に進展する形式をとり,動脈のみならず門脈も栄養血管として持っていたと推測された.今回調べた限りでは門脈をも栄養血管として持つびまん型肝血管肉腫の報告例はこれまで1例も見られなかった.
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