misdiagnosisに学ぶ
―術前診断―胆管癌を疑った1例
松本 岳
1
,
佐々木 健
1
,
馬場 裕之
1
,
鶴田 耕二
1
,
岡本 篤武
1
,
神澤 輝実
2
1都立駒込病院肝胆膵外科
2都立駒込病院消化器内科
pp.325-328
発行日 2004年5月15日
Published Date 2004/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100331
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画像診断に際しては見落としがないように心がけるとともに,何らかの所見が発見されたときは臨床情報を参考に,適切な順に最小限の検査を追加し確定診断に導くことが患者の利益につながる.しかしながら,臨床情報から先入観に捉われると,思わぬ誤診に陥ることがある.
■症例提示
65歳の女性
主訴 黄疸.
現病歴 以前より慢性関節性リウマチを,約2年前よりシェーグレン症候群を加療中.黄疸で近医に入院し,膵頭部領域癌の疑いにて当科紹介入院となった.前医で黄疸の自然消退がみられた.
入院時血液検査所見 T-Bil 2.2 mg/dl,GOT 197 IU/l,GPT 323 IU/l,ALP 351 IU/l,γ―GTP 560 IU/l,LAP 168 IU/lと肝胆道系酵素が上昇し,γ―グロブリン分画33.4%,抗核抗体80倍,リウマチ因子定量25 IU/mlも高値であった.CEA,CA19―9,DUPAN IIは正常値であった.
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