misdiagnosisに学ぶ
―術前診断―十二指腸乳頭部癌を疑った1例
石渡 裕俊
1
,
真口 宏介
1
,
高橋 邦幸
1
,
潟沼 朗生
1
,
松永 隆裕
1
,
糸川 文英
1
1手稲渓仁会病院消化器病センター
pp.453-457
発行日 2004年7月15日
Published Date 2004/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100312
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画像診断に際しては見落としがないように心がけるとともに,何らかの所見が発見されたときは臨床情報を参考に,適切な順に最小限の検査を追加し確定診断に導くことが患者の利益につながる.しかしながら,臨床情報から先入観に捉われると,思わぬ誤診に陥ることがある.
■症例提示
70歳の女性
主訴 心窩部不快感.
現病歴 当院内科に糖尿病,高血圧で通院中であったが,心窩部不快感を自覚したため,2003年5月上部消化管内視鏡検査を施行し,十二指腸乳頭部の腫大と一部に潰瘍形成を認めた.生検でadenocarcinoma疑いの診断が得られたため,5月28日当センター精査入院となった.
入院時血液検査所見 肝胆道系酵素,腫瘍マーカーは正常値範囲内であった.空腹時血糖196 mg/dl,HbA1c 7.1%であった.
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