Japanese
English
特集 長期生存膵管癌の臨床と画像
長期生存膵管癌の背景因子―外科の立場から
Background of Long-term Survivors of Pancreatic Carcinoma:From Surgical Aspects
山口 幸二
1
,
中村 雅史
1
,
佐藤 典宏
1
,
当間 宏樹
1
,
高畑 俊一
1
,
恒吉 正澄
2
,
田中 雅夫
1
Koji YAMAGUCHI
1
,
Masafumi NAKAMURA
1
,
Norihiro SATOH
1
,
Hiroki TOHMA
1
,
Shunichi TAKAHATA
1
,
Masazumi TSUNEYOSHI
2
,
Masao TANAKA
1
1九州大学大学院医学研究院 臨床・腫瘍外科
2九州大学大学院医学研究院 形態機能病理
1Department of Surgery and Oncology,Graduate School of Medical Sciences,Kyushu University
2Department of Anatomic Pathology,Graduate School of Medical Sciences,Kyushu University
キーワード:
膵管癌
,
補助化学療法
,
長期生存
,
短期死亡
,
予後因子
Keyword:
膵管癌
,
補助化学療法
,
長期生存
,
短期死亡
,
予後因子
pp.433-439
発行日 2006年7月15日
Published Date 2006/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1427100176
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膵管癌切除例を用い,予後因子,長期生存例の検討を単変量とさらに多変量解析にて行った.膵管癌自験切除例137例の予後因子についての単変量解析では腫瘍径(2cm以上と未満),「膵癌取扱い規約第5版」のStage,Curability,組織学的分化度,リンパ管侵襲,神経周囲浸潤,静脈浸潤,リンパ節転移,術後ジェムザール投与が有意な因子であった.さらにCox比例ハザードモデルを用い,多変量解析を行うとCurability,分化度,組織学的分化度,術後ジェムザール投与であった.5年生存例11例と1年以内死亡例30例とを単変量解析で比較すると,有意な因子は年齢,術前CA19-9値,IPMN合併,腫瘍径,2cm以上と未満,Stage,Curability,静脈浸潤,神経周囲浸潤,リンパ節転移,予防的肝動注(5-FU)であった.さらに重回帰分析による多変量解析を行うと両群間で有意に異なる因子は年齢,Stage,予防的肝動注(5-FU)であった.長期生存膵管癌を外科的側面より検討すると,外科切除マージン陰性の手術を行い,術後に補助化学療法(ジェムザール)を行うことが有用であると思われる.
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