連載 スーパー臨床神経病理カンファレンス・4
小児期より足の疼痛と発汗低下,49歳時洞機能不全症候群・左室肥大を呈し,その後,腎機能低下と聴力障害が進行し,67歳で死亡した男性例
福田 隆浩
1,2
,
深澤 寧
3
1社会医療法人財団白十字会佐世保中央病院認知症疾患医療センター
2滋賀医科大学社会医学講座法医学部門
3東京慈恵会医科大学病理学講座・病院病理部
キーワード:
ファブリー病
,
α-ガラクトシダーゼA
,
α-GLA
,
グロボトリアオシルセラミド
,
Gb3
,
グロボトリアオシルスフィンゴシン
,
lyso-Gb3
,
ゼブラ小体
Keyword:
ファブリー病
,
α-ガラクトシダーゼA
,
α-GLA
,
グロボトリアオシルセラミド
,
Gb3
,
グロボトリアオシルスフィンゴシン
,
lyso-Gb3
,
ゼブラ小体
pp.681-689
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416202659
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〔現病歴〕8歳頃より,足の疼痛を自覚。また,突然の発熱が年に5〜6回あった。汗をかいた記憶もほとんどなかった。25歳頃より,足の疼痛がやや軽減してきた。48歳時,心電図にてnegative Tを指摘され肥大型心筋症や心筋虚血が疑われていた。49歳時,失神発作にて病院を受診し,洞機能不全症候群・左室肥大を認め,DDIペースメーカー挿入と心筋生検を実施した。白血球酵素測定を行ったところα-ガラクトシダーゼAの低下が確認された。
61歳時より酵素補充療法を開始したが,慢性腎不全の状態は改善されず(BUN 27mg/dL,Cr 2.0mg/dL),66歳時BUN 78mg/dL,Cr 6.33mg/dL,Ccr 12mL/min,蛋白尿 1.92g/日,胸部X線にて心胸比拡大と胸水貯留,呼吸苦があり,血液透析が開始となった。67歳時自宅で倒れているところを発見され,死亡確認。病理解剖となった(Fig. 1〜5)。
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