現代神経科学の源流・16
ノーム・チョムスキー【Ⅳ】
福井 直樹
1,2
,
酒井 邦嘉
3
1上智大学大学院言語科学研究科
2上智大学国際言語情報研究所
3東京大学大学院総合文化研究科相関基礎科学系
pp.1285-1288
発行日 2021年11月1日
Published Date 2021/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201931
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反戦運動と生成意味論の時代
酒井 その後チョムスキーは,ベトナム戦争を機にかなり政治運動に力を入れていきます。
福井 1964年からベトナム反戦運動に本格的に関与しますが,それを決意するにあたって,もうそれまでみたいに研究に集中はできないだろうということで,どの研究を残すか,かなり真剣に考えたようです。
反戦運動を始めた頃には既にマサチューセッツ工科大学(以下,MIT)の正教授でしたから,そう簡単に解雇はされないはずなのですが,それでも禁固とかになると,最終的には解雇される可能性がある。そういうところまで考えて,研究対象を絞っています。奥さんのキャロルがハーバード大学の大学院に戻って,チョムスキーが大学を解雇されてしまったときには彼女が働いて家族を養うというところまで計画していました。
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