連載 脳神経内科領域における医学教育の展望—Post/withコロナ時代を見据えて・1【新連載】
脳神経内科領域における医学教育の難しさと課題
下畑 享良
1
1岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野
キーワード:
脳神経内科学
,
神経科学
,
医学教育
,
神経恐怖症
,
COVID-19
Keyword:
脳神経内科学
,
神経科学
,
医学教育
,
神経恐怖症
,
COVID-19
pp.1047-1049
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201886
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
脳神経内科学の教育には,他の診療科の教育とは異なる難しさが学ぶ側,教える側のいずれにもあるように思います。まず学ぶ側には「脳神経系は難しい」という苦手意識を持つ者が多いですし,教える側も脳神経内科学という広範な領域を限られた時間の中で「いかに教えるか,何を教えるか(how to teach,what to teach)」は非常に難しく,その教育を担当することに戸惑いを覚える医師も多いように思います。しかし,もし臨床現場で教育を担当する医師と基礎の神経科学教育を担う教官,さらに最新の臨床教育の理論や方法を研究する医学教育のエキスパートが,より密接に連携すれば,その教育効果は非常に大きなものになるのではないでしょうか。
こうした背景を踏まえつつ,神経科学の基礎・臨床教育において,学ぶ側,教える側にどのような特殊性があるのか,これからどのような教育を行っていくべきかを議論することを目的として,本連載を企画しました。連載開始にあたり本稿ではまず脳神経内科学教育を困難にしている学ぶ側の要因を検討し,本連載で取り上げるべき教育課題について議論したいと思います。
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.