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概要
PNS(Peripheral Nerve Society)は,末梢神経の研究を行う国際的な組織です。1994年に2つのグループが合同で設立したもので,臨床研究と基礎研究の両方から末梢神経のあらゆる側面を網羅し,診断のための電気生理学的検討,疾患の病態解明と治療開発から,神経線維再生の分子メカニズムの研究まで,多岐にわたった検討が行われています。2015年までは2年に1回開催されていましたが,2017年以降は毎年開催されるようになっています。
2019年度のannual meetingはイタリア随一の港町,ジェノヴァ(英語表記:Genoa,イタリア語表記:Genova,人口:約58万人)で開催されました。ジェノヴァはイタリア北西部にあり,ミラノから南南西に約120kmに位置します。歴史のある街並みが市の中心地から多く残され,フェラーリ広場・王宮・ガリバルディ通りなどが有名です。学会会場(写真1)は港に近く平地でしたが,市内の有名なスポットを観光するには傾斜のきつい坂の上り下りを要します。学会が開催された頃から気温が上昇(27〜37℃前後)したので,日中は外に少し出るだけでもびっしょりと汗をかくほどでした。
今年度は観光地としても人気のあるイタリアで開催されたこともあり,参加人数は1,000人を超え,免疫性ニューロパチー,糖尿病性ニューロパチー,中毒性ニューロパチーの3部門の発表が午後には同時進行で行われ,朝7時から夜8時頃までみっちりなスケジュールでした。私が拝聴した免疫性ニューロパチーに関するシンポジウムでは,臨床研究の発表が多数見られ,テーマとしてはとりわけ慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy:CIDP)が多い印象でした。
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