連載 臨床で役立つ末梢神経病理の読み方・考え方・3
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
佐藤 亮太
1
,
神田 隆
1
1山口大学大学院医学系研究科臨床神経学
pp.625-629
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201327
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はじめに
慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー(chronic inflammatory demyelinating polyradiculoneuropathy:CIDP)は慢性進行性または再発寛解性の経過を示し,四肢の運動感覚障害を主徴とするニューロパチーである1)。CIDPでは末梢神経の神経根から神経遠位端の間でpatchyな脱髄病巣を形成すると考えられるため,CIDP患者の腓腹神経病理では炎症所見や現在進行形の脱髄所見だけではなく,生検部位よりも近位部の病変によって生じた二次性の軸索変性や神経再生所見が併せて観察される。今回の解説を通じてCIDP症例の腓腹神経病理所見を正しく解釈できるようになっていただきたい。
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