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はじめに
世界脳卒中機構(World Stroke Organization:WSO)が開催する世界脳卒中会議(World Stroke Congress:WSC)は,欧州,アジア・オセアニア,北南米の3地域を巡回しながら隔年で開催される。2018年の開催順番は北南米地区であり,カナダ脳卒中学会のMike Sharma(マクマスター大学,カナダ)とWSO理事長であるWerner Hacke(ハイデルベルグ大学,ドイツ)の共同会長により,モントリオールで開催された。会期は2018年10月17〜20日,Late Breaking Trials 8つを含む4日間の充実したプログラムが用意されていた。カナダの紅葉を期待して現地入りしたものの,会場となったモントリオール・コンベンションセンター周辺(写真1)は最低気温2℃と,既に冬将軍が到来していた。出発直前にスーツケースに放り込んだマフラーと手袋が大いに役立った。
前回のWSC 2016(ハイデラバード,インド)に比べ参加者は明らかに増えており,初日の参加受付窓口は事前登録・当日登録の参加者であふれていた(写真2)。今回も興味深い発表が盛りだくさんであり,事前情報から個人的には,塞栓源不明脳塞栓症(embolic stroke of undetermined source:ESUS)を対象としたRE-SPECT ESUS(Randomized, double-blind, Evaluation in secondary Stroke Prevention pomparing the EfficaCy and safety of the oral Thrombin inhibitor dabigatran etexilate versus acetylsalicylic acid in patients with ESUS),および4.5時間枠を超えてアルテプラーゼ静注の効果を検証したEXTEND(EXtending the time for Thrombolysis in Emergency Neurological Deficits),という2つの試験結果に注目して参加した(写真3)。
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