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書評 「あなたの患者さん,認知症かもしれません 急性期・一般病院におけるアセスメントからBPSD・せん妄の予防,意思決定・退院支援まで」—小川朝生【著】
桑田 美代子
1,2
1青梅慶友病院
2よみうりランド慶友病院
pp.1288
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201174
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「桑田さんから紹介された小川先生の本,面白くてもう2回も読んだわ。認知症のことわかっていると思っていたけど,改めて勉強になった! すごく読みやすいのよ」と,当法人の看護部長が意気揚々と語ってくれた。面白かったという点は以下のとおりである。認知症に関する知識の整理につながった。随所に「ポイント」として,重要な点が簡潔にまとめてあるのも理解の助けになった。そして,皆が疑問に思うことに答えるような書き方になっている。急性期・一般病院で日常的に起こっている現象だから,「ある・ある」と自然に頭に入る。小川先生の講義を聞いている印象さえすると語っていた。
認知症患者は,「大変な患者」の一言で語られてしまう現状もある。スタッフは忙しいから対応しきれない。そして,ケアする側が大変と受け取れば,それは「不穏」「問題」と表現され,その理由に目が向けられない。ケアする側が不安や混乱を増強させていることに気づいていない。だから,根本の原因解決となる対応にはつながらない。本書は,その根本原因の解決につながる知識,現象のみかたが書かれている。認知症をもつ人の生活のしづらさ,苦痛や不安に焦点をあて,認知症の知識に基づき,その原因がひもとかれている。だから,「なるほど,そうなんだ!」と合点がいくのである。みかたが変わると,現象の受け止め方も変わり,ケアする側の気持ちにも余裕が出てくる。
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