連載 同行紀・第1回【新連載】
タケちゃんと小川さん
弓指 寛治
pp.173-181
発行日 2025年5月15日
Published Date 2025/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.134170450300030173
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東京・山谷と横浜・寿町を中心に活動を続ける訪問看護ステーションコスモス。山谷という地名は地図にはない。浅草の北、かつての東京の趣が残るこの地域は江戸時代には刑場や火葬場が置かれ、東京の辺縁として使われてきた。そして戦後から高度経済成長、バブルといった時代に応じて日本中から日雇い労働者が集まり、三畳ほどの簡易宿泊所(通称ドヤ)で日々を暮らした。
コスモスの利用者には、そんなドヤで暮らす、職を失い身寄りの無い生活を続ける高齢者も多い。この地で『誰をも差別することなく人権を尊重する』を理念に掲げるコスモスと、とある芸術家がひょんなきっかけで出会った。芸術家は山谷というまちと人、そしてコスモスの看護師たちに魅了され、同行を始めた。

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