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今回私は,2018年3月15〜18日に,イタリア北部の街,トリノで開催されたAAT-AD/PD Focus meeting 2018(Advances in Alzheimer's and Parkinson's therapies an AAT-AD/PD Focus meeting)に参加する機会を得たので,その印象記を書かせていただく。飛行機の乗り継ぎに時間がかかったこともあり,トリノのホテルにたどり着いたのは,名古屋の自宅を朝出発してからちょうど24時間後であった。現地時間では,既に午後11時半を過ぎており,くたびれきってスーツケースも持ったままホテルのバーに飛び込み,ビールを一杯飲んでいるところで本誌編集主幹の河村 満先生にお目にかかり,本印象記の御依頼をいただくという,まったく思いもかけない形で貴重な機会を得ることができた。学会参加の気分が盛り上がったところで,完全に電池が切れ,部屋に入りそのままベッドに倒れ込んだ。
トリノは,アルプスの麓のイタリア・ピエモンテ州にあり,古くはサルデーニャ王国の首都として栄え,現在も王宮が残り,ピッコロパリジ(小さなパリ)とも呼ばれる歴史のある美しい街である。ピエモンテ州は,バローロなどの高級赤ワインの産地として有名で,サッカーセリエAの人気チーム,ユヴェントスの本拠地でもある。冬季オリンピックが開催されたことをご記憶の方もおられるであろう。意外なところとしては,過去のいわゆるマカロニウエスタンなどのイタリア映画の中心地で,現在も国立映画博物館がある街である。また,トリノは,イタリアを代表する自動車メーカーのFiat社の本社があることで知られている。学会会場は,昔のFiat社の大工場を改装した建物で,巨大な施設に,コンベンションホール,ホテル,ショッピングモールが入っている(写真1)。元の工場では,屋上が車の試乗コースになっていたということからもその巨大さがご想像いただけるであろうか。
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