扉
98 AANS Annual Meetingに参加して
島 克司
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1防衛医科大学校脳神経外科
pp.654-655
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436901595
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4月25日から30日まで米国ペンシルバニア市で開催された1998 AANS(TheAmerican Association Neurological Surgeons)Annual Meetingに久しぶりに参加する機会を得た.相変わらず辞書のようなコンパクトなプログラム集同様に学会の運営,演題の内容ともに実に洗練された学会であった.周知のように,1931年TheHarvey Cushing Societyとして発足以来,66回を数える今回もLaws会長の言を待つまでもなく,その印象は間違いなく“something for everybody”な,世界で最も教育的で国際的な脳神経外科学会であった.
今回も例年同様演題数は非常に厳選されていて,特別講演,モーニングセミナーなどを除いた一般演題は,口演131題,ポスター476題に過ぎない.昨年の第56回日本脳神経外科学会総会の採用演題総数1336題とは比べ物にならない.この相違には様々な原因が考えられる.最大の要因は,AANSではup-to-dateな情報をcontinu-ing educationとして伝えることに重点をおいてきたのに対して,わが国では各施設の研究業績の発表が中心になってきたことにある.この背景には近年よく話題にのぼる日米の脳神経外科の実態の相違がある.日本の脳神経外科専門医数は,昨年4,500人を越え人口対比では米国の約2倍になった.
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