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今月の表紙
河村 満
1
,
岡本 保
2
,
菊池 雷太
3
1昭和大学病院附属東病院
2富坂診療所
3汐田総合病院神経内科
pp.1402-1403
発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200605
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シャルコーの『火曜講義』の中で最も有名なものの1つは,1888年6月12日になされた第20回講義です1)。この講義でシャルコーは振戦がみられず握力も保たれたパーキンソン病患者を提示し,これまでパーキンソン(James Parkinson;1755-1824)の命名に従って「振戦麻痺(shaking palsy)」と呼ばれていたこの疾患を「パーキンソン病」と呼ぶように提案します。
この歴史的患者の名前はバシェール(Bachère)といい,当時31歳の男性で,26歳のときに発症したことから若年性パーキンソン症候群に属する可能性がある2),とされています(同講義では「20歳頃に最初の症候が現れた」ともあり,後述のように21歳で発症とする記載も他にあります)。さらに彼は,前号で紹介した「伸展型パーキンソン病」(type d'extension)であることがシャルコーによる姿勢と歩行異常のスケッチとともに明記されています1)。
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