Japanese
English
神経画像アトラス
シャルコー動脈が出血源と同定できた特発性被殻出血の1例
A Case of Spontaneous Putaminal Hemorrhage Responsible for the Rupture of Charcot Artery
坂倉 和樹
1,3
,
池田 剛
1
,
椎貝 真成
2
,
中居 康展
1
,
渡辺 憲幸
1
,
上村 和也
1
,
山本 哲哉
3
,
松村 明
3
Kazuki Sakakura
1,3
,
Go Ikeda
1
,
Masanari Shiigai
2
,
Yasunobu Nakai
1
,
Noriyuki Watanabe
1
,
Kazuya Uemura
1
,
Tetsuya Yamamoto
3
,
Akira Matsumura
3
1筑波メディカルセンター病院脳神経外科
2筑波メディカルセンター病院放射線科
3筑波大学医学医療系脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Tsukuba Medical Center Hospital
2Department of Radiology, Tsukuba Medical Center Hospital
3Department of Neurosurgery, Faculty of Medicine, University of Tsukuba
pp.957-958
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416200537
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シャルコー動脈(Charcot artery:CA)は特発性脳内出血の原因として知られる重要な血管で,1874年に初めてデュレー(Henri Duret;1849-1921)が報告し,その後1883年にシャルコー(Jean-Martin Charcot;1825-1893)が報告したことで臨床的に有名となった1)。CAは「artery of the cerebral hemorrhage」と呼ばれ,現在ではレンズ核線条体動脈(lenticulostriate artery:LSA)として認識されているが,画像診断で出血源と同定されることは稀である。今回われわれはCAが出血源と同定できた特発性被殻出血の1例を経験したので報告する。
〈症 例〉 62歳男性。意識障害,左片麻痺を発症して来院した。来院時,グラスゴー昏睡尺度(Glasgow Coma Scale:GCS)E1V1M4で左片麻痺は重度であった。頭部CT(computed tomography)で右被殻出血を認め,血管病変を除外する目的でCTA(CT angiography)を施行したところ,CAからの造影剤漏出を認めた(Fig.)。緊急で開頭血腫除去術を施行。術中にCAと考えられる血管からの活動性出血を認めたため,凝固焼灼した。術後は全身管理,リハビリテーションを行い,転院となった。
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