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2015年10月17〜21日に,アメリカ合衆国シカゴで開催された第45回北米神経科学大会(Neuroscience 2015)に参加した。ここ10年ほどは80カ国以上から約3万人前後が参加する大規模な国際学会であり,今回も参加者数は2万9千人を超えたと発表があった。これだけの数の参加者を収容できる規模の会場を持つ都市が限られることから,ここ数年はワシントンD.C.とサンディエゴを中心として開催されており,シカゴでは2009年の初開催以降2度目の開催となった。2019年,2021年にも開催が予定されており,今後は上記の2都市と並んで定番の都市となってくると思われる(少なくとも2021年まではこの3都市で回すようである)。以前はよく開催されていたニューオリンズ(2012年に開催)や2005年の開催地であるアトランタなど他の都市での開催も期待したいが,ここまで学会が巨大化してしまうと難しいのかもしれない。
私自身は2004年以降おおむね2,3年に1回のペースで参加しているが,シカゴでの大会は初めてであったこともあって,会場内・会場外ともに新鮮であった。会場はシカゴの中心街からやや南のミシガン湖湖畔に位置するマコーミックプレイス(写真1)であり,会場近くにはホテルが多くないためダウンタウンのホテルから会場に通ったが,シャトルの運行本数が多く移動は快適であった。地下鉄も利用しやすく,特に空港からの移動は,ホテルが駅から遠い場合や夜間を除けば低価格で行ける地下鉄の利用をお勧めしたい。今回は開催が10月であり特に寒いということもなかったため,両岸に摩天楼が立ち並ぶシカゴ川のリバークルーズや,シカゴ川の南に位置するミレニアムパーク,さらに南にある米国3大美術館の1つであるシカゴ美術館などに足を延ばされた方も多かったのではないか。私自身は残念ながら時間が取れず上記には行けなかったが,ジョン・ハンコック・センターからの日没とシカゴ市内の夜景(写真2)やブルースのライブを堪能した。学会で初めて会った研究者と,地図を片手に目的地を目指す共同作業を通じて親睦を深めた後に行う研究談議も国際学会の醍醐味の1つである。
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