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2015年の10月15〜17日に米国のシカゴで開催されたSNL 2015に参加しました。SNLは2010年に誕生した新しい学会で,言語の神経生物学的基盤を解明することを目的に,神経科学者・言語学者・心理学者などのさまざまな分野の研究者が参加しています。年次大会は米国とヨーロッパで交互に開催されており,今回は600人以上の参加者が集いました。私自身がSNLに参加するのは今回で3度目ですが,参加のたびに関連分野の研究者が増えていると感じております。特に今回は,言語に対する加齢の影響や言語野以外の脳領域が言語処理に果たす役割など,これまであまり研究が進んでいなかったテーマについての発表が増えていた点が印象に残りました。今回は10月17〜21日に,同じシカゴのマコーミックプレイスでSociety for Neuroscienceの第45回年次大会が開催されたため,併せて参加した方も多いようでした。
会場はシカゴ中心部のマグニフィセントマイルにあるThe Drake Hotelで,市内への交通の便がよかったため,学会後に研究者同士で交流を深めるのに適した開催場でした。ミシガン湖畔の1920年創業の伝統あるホテルで,講演会場にシャンデリアがあったのが印象に残りました。セッションの合間にはコーヒーブレークが設けられており,飲み物を片手に参加者同士で議論を交わす光景がいたるところでみられました。また,1日のセッションが終わった後にはソーシャルアワーが設けられており,会場に残って議論を交わす参加者が多数みられました。研究者の用いる研究手法も行動実験,脳機能イメージング,計算モデルとさまざまであることから,気軽に議論ができる機会が多くあるのは,今後分野を融合した研究を発展させるうえで重要であるように思います。
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