紙上討論
人間以外の動物に「文法」は使えるのか?
尾島 司郎
1
,
宮川 繁
2
,
岡ノ谷 一夫
1,3,4
,
成田 広樹
5,7
,
飯島 和樹
6,7
,
酒井 邦嘉
6,7
1東京大学大学院総合文化研究科認知行動科学大講座
2Department of Linguistics and Philosophy, Massachusetts Institute of Technology
3科学技術振興機構ERATO 岡ノ谷情動情報プロジェクト
4理化学研究所脳科学総合研究センター情動情報連携研究チーム
5早稲田大学高等研究所
6東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻相関基礎科学系
7CREST,JST
pp.273-281
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101741
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A 尾島ら 鳥に文法が学べるのか?
英語で“bird-brained”という表現をご存じだろうか? 直訳すると「鳥の脳をしている」ということだが,これはstupidを意味する。一般的に,鳥は頭の悪い動物だと見做されることも多い。しかし,動物行動学の成果は,必ずしもこうした見方が正しくないことを示している1)。鳥の認知研究で,近年特に注目を浴びているのは,今回のテーマである「文法」の学習である。鳥にも文法が学べるのだろうか?
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