Japanese
English
特集 失語症研究カンファレンス
生成文法の基底構造
Base Structures in Generative Grammar
井上 和子
1
Kazuko Inoue
1
1国際基督教大学語学科
1Linguistics Division of Languages, International Christian University
pp.227-230
発行日 1971年6月30日
Published Date 1971/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904714
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Ⅰ.言語能力と言語運用
生成文法では,われわれが持つている言語を使いこなす能力(言語能力)と,その能力の実際の運用面(言語運用)とを区別している。なぜなら,「ことば」を実際に使う場合には,記憶力の限界,注意力の散逸,外部からの各種の妨害など,言語以外の条件が働くからである。このような言語以外の諸条件から切り離して,「ことば」のしくみを研究すること—すなわち言語能力の研究—が行なわれた後に,この研究を基礎とし,言語以外の分野からの協力を得てはじめて,言語運用の研究が可能になると考えられる。
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