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2012年6月10~14日に中国の北京で開かれたThe 18th Annual Meeting of the Organization for Human Brain Mapping(OHBM2012)に参加した。この学会はヒトの脳活動イメージングに関する国際学会で,近年は2,500~3,000人の参加者があり,毎年開催されている。イメージング手法としては,機能的MRI研究が中心であるが,脳波(EEG),経頭蓋磁気刺激(transcranial magnetic stimulation:TMS)を用いた研究,さらには脳磁図(MEG),近赤外分光法(NIRS),分子イメージング,PETまで幅広い手法の研究が発表される。今回も数多くの参加者が世界各地から来ており,私自身は2009年のサンフランシスコでの大会以来3年ぶりの参加となった。
私にとって北京訪問は初めてであったが,町並みが前の年にSociety for Neuroscienceで訪問したワシントンDCと似ているように感じた。東京や日本の都市に比べて,建物や町の区画が巨大,威圧的で,大国の首都という点で何か共通点があるのかもしれない。学会会場は,北京オリンピックのメインスタジアム,通称「鳥の巣」(写真1)のすぐ隣のChina National Convention Center(CNCC,写真2)であった。ここは北京の中心部からやや離れた郊外に位置する。初夏の訪問で天気がよく気持ちがよかった。ただ学会会場はこのように郊外にあるためか滞在中はあまり気づかなかったが,北京在住の研究者と話したところ,大気汚染の問題は日常的に非常に深刻だそうである。実際周囲の車の交通量は非常に多く,市内中心部を通った際には何度かひどい渋滞に巻き込まれた。
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