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私は2018年6月17〜21日に,シンガポールで開催されたOHBM 2018(Organization for Human Brain Mapping Annual Meeting 2018)に参加しました。OHBMは神経イメージングを用いてヒトの脳の解剖学的,機能的メカニズムを理解することを目的とした組織で,神経科学者,言語学者,心理学者,医師などさまざまな分野の研究者が参加しています。近年はMRI(magnetic resonance imaging),EEG(electroencephalography),MEG(magnetoencephalography),NIRS(near-infrared spectroscopy)などの神経構造画像,機能画像によるヒト脳機能の解明,反復的経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation:rTMS),経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation:tDCS)などの神経刺激によるヒト脳機能の変化などが主なテーマになっています。OHBMは1995年にフランスのパリで最初の会議が開催されてから,年次大会がさまざまな国で開催されています。今年は25カ国以上から非常に多数の参加者がおり,ポスター演題の提出数だけで2,000近くに上りました。私自身がOHBMに参加するのは今回で6回目ですが,参加するたびに参加者が増え,学会規模が大きくなっている印象を受けています。
シンガポールは,東京都とほぼ同じ面積の小さな国で,1965年にマレーシア連邦から分離した都市国家です。独立して日が浅い国であるにもかかわらず,アジアにおける貿易,交通および金融の中心地の1つであり,非常に活気のある都市です。街を歩くと,華人,マレー系,インド系,ユーラシア人などさまざまな人種が混在しており,シンガポールを活気付けている背景を垣間見ることができます。食事は,中華料理を中心として,タイ,インド,マレーシアの文化が影響を与えながら,独自の発展を遂げていることを実感させられました。日本料理屋も多く,日本食がシンガポールの食文化の一角を占めている印象を受けました。いずれもとてもおいしく食事に不自由することはありませんでした。物価は概して高めで,アルコールは税金が高いためか,特に高価でした。レストランは豊富にありますが,ホーカーズという屋台が寄り集まって1つのフードコートをつくっているところがあり,今回は慶應義塾大学精神科の先生方と交流を兼ねて,Newton Food Centerというホーカーで食事をご一緒させていただきました(写真1)。また,シンガポールのBoat Quayにはスポーツ観戦ができるバーがたくさんあり,学会期間がちょうどロシアで開催されたサッカーのワールドカップと重なっていたこともあり,大変盛り上がっておりました。滞在中の6月19日には日本対コロンビア戦があり,シンガポールの方も日本を応援してくれていました。
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