ポートレイト
チャールズ・ミラー・フィッシャー―偉大な「1人の医師」
福武 敏夫
1
1亀田メディカルセンター神経内科
pp.1443-1448
発行日 2012年12月1日
Published Date 2012/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101375
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はじめに
神経学の巨星であり,脳卒中学の創始者であるチャールズ・ミラー・フィッシャー(Charles Miller Fisher;1913-2012)先生(Fig.1)は2012年4月14日,98歳で亡くなられました(以下では単にフィッシャーとし,敬称は省略します)。ハーバード医学校の名誉教授であるフィッシャーは50年以上にわたってマサチューセッツ総合病院に勤務し,公式的には1981年に引退しましたが,80歳代に論文を著し,90歳代になっても若いレジデントと回診していたそうです2)。私は直接に拝顔したことはありませんが,臨床神経学の学徒として,節目節目で大事なことを教わってきました。本稿では,筆者がフィッシャーの思索に触れた5回の「出会い」を,時代を遡りながら記述することにより,フィッシャーの偉大さに迫りたいと思います。
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