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連載 神経学を作った100冊(70)
デジュリーヌ『中枢神経系の解剖学』(1895,1901)
One Hundred Books which Built up Neurology (70)-Dejerine J: "Anatomie des Centres Nerveux" (1895, 1901)
作田 学
1
Manabu Sakuta
1
1日本赤十字社医療センター神経内科
1Department of Neurology, Japanese Red Cross Medical Center
pp.1194-1195
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416101326
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デジュリーヌ(ドゥジュリーヌが原語に近い)(Joseph Jules Dejerine;1849-1917)は,現フランス領サボワの出身でスイスのジュネーブ近郊の馬車業をしていた父の下に生まれ,育った。当時イタリアはサルディニア王国のサボワ家を中心として統一の機運にあり,フランスにサボワ地方とニースを1860年に割譲し,その黙認の下に統一を果たした。サボワ地方は現フランス南東部にあり,イタリア,スイスに国境を接している。デジュリーヌが生まれた場所はサボワともジュネーブ市内のプレンパレとも言われているが,そういう事情があった。ただ,22歳までにジュネーブで学業を済ませたことは事実である。
1870年,スペインの王位継承問題を契機としてプロイセンとフランスの戦争(普仏戦争)が起こった。プロイセン軍はライン川を越えて,8月にフランスに入り,9月にはナポレオン三世をセダンで捕虜にした。その報とともにパリには革命が勃発し,共和制が宣言され,国防政府が成立した。1871年1月パリが陥落し,2月に新政府とドイツの間で平和の調印が行われた。
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