書評
「グラント解剖学図譜(英語版CD-ROM付 第5版)」―坂井健雄●監訳・小林 靖,小林直人,市村浩一郎●訳
大谷 修
1
1富山大学解剖学
pp.199
発行日 2008年2月1日
Published Date 2008/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100231
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本書は,JCB Grant教授により1943年に出版された“Grant's Atlas of Anatomy”の第11版の日本語訳である。
本書の最大の特長は,古典的な解剖図のすばらしさにある。この図譜の多くの解剖図は,カナダのトロント大学の解剖学博物館に展示してある解剖標本を,落ち着いた色彩で美しく,正確に描いたものである。十数年前,トロント大学を訪れた際に,解剖学博物館に立ち寄ってみた。そこには,Grant教授が作った,複雑な構造をわかりやすく解剖した標本が展示してあり,それを学生たちがスケッチしている光景を見ることができた。このように,本書の主要な解剖図は実物を忠実に再現してあり,したがってわかりやすく,実習室で解剖しながら,あるいは遺体のない時でも,予習や復習に役立つのである。
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