書評
「グラント解剖学図譜 英語版CD-ROM付 第5版」―坂井建雄 監訳・小林 靖,小林直人,市村浩一郎 訳
大谷 修
1
1富山大学・解剖学
pp.55
発行日 2008年1月20日
Published Date 2008/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413101328
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本書は,J.C.B.Grant教授により1943年に出版された“Grant's Atlas of Anatomy”の第11版の日本語訳である。
本書の最大の特長は,古典的な解剖図のすばらしさにある。この図譜の多くの解剖図は,カナダのトロント大学の解剖学博物館に展示してある解剖標本を落ち着いた色彩で,美しく,正確に描いたものである。十数年前,トロント大学を訪れた際に,解剖学博物館に立ち寄ってみた。そこには,Grant教授が作った,複雑な構造をわかりやすく解剖した標本が展示してあり,それを学生たちがスケッチしている光景を見ることができた。このように,本書の主要な解剖図は実物を忠実に再現してあり,したがってわかりやすく,実習室で解剖しながら,あるいは遺体のない時でも,予習や復習に役立つのである。
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