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はじめに
近年,悪性腫瘍に対する治療法の進歩は著しく,外科的治療法,化学療法,放射線療法など新たな治療法の開発が試みられ,その成果により患者の生存率は改善されてきている。神経内科領域では脳脊髄腫瘍,び漫性髄膜がん腫症などの患者を診ることは多いが,腫瘍に対する直接的治療は脳神経外科,転移性腫瘍の場合は原発巣によりそれぞれの担当科へ依頼することが大半であり,神経内科医が直接悪性腫瘍の治療に携わることは少ない。しかしながら,治療による二次的変化により中枢や末梢神経に障害が生じると,他科からコンサルテーションの依頼を受けることは少なくない。これらの中枢神経障害としては,担がん患者の免疫能力低下に伴うさまざまな中枢神経感染症,悪性リンパ腫,進行性多巣性白質脳症,遠隔効果としてのがん性小脳皮質変性症,辺縁系脳炎,オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群や化学療法に伴う白質脳症など,さまざまである。一方,悪性腫瘍と末梢神経障害ではTable1に示したような関連性が挙げられている。特に近年,悪性腫瘍に対する新しい化学療法が多く試みられ,それに伴う新たな副作用も報告されており,医療関係者は熟知しておく必要がある。
Abstract
Recently treatments of carcinoma are made great progres, therefore life period of patients with carcinoma are prolonged. But a neurotoxicity is one of the chemotheraphy side effects.
Some anticancer drugs 〔cisplatin (CDDP), vincristine (VCR), paclitaxel (PTX), interferon, thalidomide etc〕 cause polyneuropathy, especially cisplatin neuropathy is unreversible damage. Therefore we should be careful to use cisplatin.
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