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言うまでもなく手根管症候群(carpal tunnel syndrome: CTS)は,広く世界中で比較的高頻度に認められる疾患である。しかしながら,タイトルに「米国での」とつけたのには訳がある。われわれ3人の筆者は,ときは多少違えども,米国の教育病院で神経内科の臨床に携わってきた。その経験に基づく共通の認識として,米国ではCTSは医療関係者のみならず,一般市民に認知度が非常に高く,神経内科の臨床をしていると一番多く遭遇する疾患の1つだということである。米国では日常のジョークの中にでもCTSが登場することが多く,日本でも遅ればせながら,テレビ番組やインターネットを通じて医療情報が一般市民に浸透してきているが,その来るべき将来像を米国の現状から推察できないだろうか,というのが本論文の意図である。
後述するように,CTSでは手術以外にも種々の保存的療法が存在するが,装具の類も有用性がある。それらの多くは医師の処方箋が不要で,直接薬局などで購入可能である。さらに最近はインターネットショッピングが便利であるが,日米で代表的なインターネット・ショッピングサイトで「手根管症候群」または「carpal tunnel syndrome」にて商品を検索したところ,米国のサイトでは2,100件を超えるヒットがあったのに比べ,日本のサイトではわずか23件だった(2007年6月現在)。扱う商品総数が違う可能性はあるが,この件数の差は,やはり手根管症候群の社会的認知度の違いによるのではないか,と思われる。
Abstract
In the United States, carpal tunnel syndrome (CTS) is one of the most common diseases and is well recognized by the general population. The number and amount of workers' compensation claims in the U.S. are enormous and the news has been received high degree of attention. Similar to Japan, the initial treatment is non-surgical, but the failure to non-surgical treatment usually leads to surgical intervention without delay.
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