Japanese
English
論述
妊娠に関連する手根管症候群について
Carpal Tunnel Syndrome associated with Pregnancy
高山 真一郎
1
,
内西 兼一郎
1
,
飯島 謹之助
1
,
根本 孝一
1
,
松本 昇
1
,
田崎 憲一
1
,
堀内 行雄
1
,
伊藤 恵康
1
,
高橋 正憲
2
,
森 雅文
2
Shin-ichirou Takayama
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
2東京歯科大学市川病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Keio-Gijuku University
キーワード:
手根管症候群
,
carpal tunnel syndrome
,
妊娠
,
pregnancy
,
電気生理学的診断
,
electrophysiological diagnosis
,
末梢神経易損性
,
vulnerability of the peripheral nerve
Keyword:
手根管症候群
,
carpal tunnel syndrome
,
妊娠
,
pregnancy
,
電気生理学的診断
,
electrophysiological diagnosis
,
末梢神経易損性
,
vulnerability of the peripheral nerve
pp.1381-1386
発行日 1985年12月25日
Published Date 1985/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907307
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抄録:妊娠に関連した手根管症候群78名120手の経験を報告し,その診断,原因および治療について検討した.本症の診断に際してはTinel's signおよびPhalen's testが有用であり,general acroparesthesiaとの鑑別が問題になる.本症は両側例が多く,一般の手根管症候群と比較して軽症なものが多かった.大部分の症例は,妊娠7カ月以降出産後3カ月以内の発症であり,このうち産褥期の発症例のほうが僅かに多かった,de Quervain病に代表される腱鞘炎の合併を高率に認めたが,妊娠中毒症および全身的浮腫との関連は明らかでなかった.多くの症例は授乳期を過ぎる頃には症状が軽快し,観血的治療を行ったものは4%に過ぎなかった,本症の原因は様々なメカニズムによる手根管内圧上昇という外因的要素に加えて,末梢神経自身の易損性亢進が関与するものと考える.
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