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書評
「簡要神経学 第4版」―Iain Wilkinson & Grahama Lennox●著/岩田 誠,岩田 淳●訳
Essential Neurology Forth Edition
河村 満
1
1昭和大学医学部神経内科
pp.330
発行日 2007年4月1日
Published Date 2007/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100072
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簡潔かつ要点を押さえた名著
Wilkinson先生の“Essential Neurology”を最初に手にしたのは20年近く前,学会総会の書店であった。一緒にあれこれと本を選定していた故伊藤直樹先生(元千葉大学神経内科講師)が勧めてくれたので購入した。伊藤先生からは病棟・外来で懇切な指導を受けたが,しばしばこの本の図を使って説明していただいたのを今でもよく憶えている。いつも難解で複雑な神経疾患の病態が,「なるほど」と理解できた。この本を見ると,伊藤先生の表情を懐かしく思い出すことができる。
原著第4版の翻訳が「簡要神経学」として,岩田 誠・岩田 淳先生によって訳され,4回目の改版として出版された。名著の名訳である。原著は初版出版から17年目の出版であり,第3版に比べ,多くの図が加わり,カラーの図もある。ちなみに,両翻訳者は親子である。「簡要神経学」が最初に世に出たとき,岩田 淳先生はまだ医学部の学生であったはずである。学生で専門書を翻訳してしまう能力には脱帽せざるを得なかった。また,同じ専門を持ち,仲良く本を出版するという幸せな親子は,医学領域に限らずなかなか見当たらないのではなかろうかと,心からうらやましく思った。
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