連載 神経学を作った100冊(5)
Ueber die multiplen Fibrome der Haut und ihre Beziehung zu den multiplen Neuromen 1882
作田 学
1
1杏林大学神経内科
pp.544-545
発行日 2007年5月1日
Published Date 2007/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416100050
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フリードリッヒ・ダニエル・フォン・レックリングハウゼン(1833-1910)は,ウイルヒョウの最も優れた弟子の1人だった。そしてウイルヒョウの恩師が,ヨハネス・ミュラーということになる。彼は31歳でケニヒスベルクの病理解剖学の教授となり,39歳でストラスブルク大学の病理学主任教授に招聘され,生涯をそこで過ごした。この間に書いたモノグラフが上記の書物であり,彼の名前を今に伝えることになった。
現在では神経線維腫症1型(NF1)がRecklinghausen病と呼ばれ,神経線維腫症,カフェオレ斑,虹彩結節を特徴とすることが知られている。そしてNF1は常染色体優性遺伝で,遺伝子座17q11.2にコードされるタンパク質neurofibrominは癌抑制遺伝子として機能すると考えられている。今日,神経線維腫症は8型まで知られている。
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