糖尿病患者の口腔健康管理 はじめの一歩・12【最終回】
「健口」をめざして医科歯科連携
髙野 直久
1,2
1(公社)日本歯科医師会
2髙野歯科医院
pp.1070-1074
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200824
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「健口」から始める健康づくり
口腔機能の維持向上は楽しい食事が続けられ,また介護予防や健康長寿にも役立つことにつながります.脳が関わる運動や感覚のうち,約40%が口腔に関連していますし,口腔の運動や口腔ケアは脳を活発化させ認知症の予防にも役立つことが知られています.それから,歯が健康で食事を楽しめることは,生きがいにも大いに関係します.このようなことから,歯と口からの健康づくりを始めてみるのは,高齢社会となっている本邦では必要なことであるといえます.
糖尿病と歯周病は,どちらも初期症状は無症状であります.また,生活習慣病でもあります.そして,自己管理で予防できるという共通点もあります.さらに,高血糖が続くと歯周病も悪化しています.そして,糖尿病の人は免疫力が低下していますし,組織を元通りにする力も弱くなっていますので,炎症による組織破壊が進行しやすくなっています.歯科において口腔健康管理をしっかりと考えて歯周病治療を行うと,糖尿病患者の状態改善もみられるようであります.
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