糖尿病に効くコーチング 明日から始めてみませんか?・10
インスリン治療を拒否する2型糖尿病患者さんの事情
森岡 浩平
1
1(医)森岡内科クリニック
pp.891-894
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200779
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患者さんにインスリン治療をお勧めして,「インスリンはもう少し待ってください」と言われる場面がよくあります.その際に医療者の「この血糖値だと大変なことになりますよ!」「インスリンの針はとても細いので痛みも少ないですよ」といったアドバイスが始まりますが,患者さんは「インスリンをしなきゃいけないのもわかっています,でもね〜」という思いで,結局は「インスリンをやりましょう」「もう少し待ってください」という会話が外来で繰り返されます.
患者さんがインスリンに対して不安に思うのは自然なことです.そして「できない」「やらない」という言葉の裏には必ずその患者さんの「事情」があります.しかし,患者さん自身もその事情が頭の中ではっきりしていないことが多くあります.人は質問されて初めて考え,言葉に話してみて初めて気づきます.ですから患者さんの頭の中にある「インスリンに踏み込めない事情」を医療者がいかに引き出せるかが重要です.
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