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研究ノート
日本人2型糖尿病のインスリン抵抗性に寄与する因子の研究―2型糖尿病のインスリン抵抗性を示唆する指標は?
Factors responsible for the evolution of insulin resistance in Japanese type 2 diabetic patients
谷口 中
1
,
中井 義勝
2
1関西電力病院糖尿病内科
2京都大学医療技術短期大学
pp.218-219
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100380
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- Abstract 文献概要
BMIやTG以外に内臓脂肪量,皮下脂肪量,炎症,血小板数が2型糖尿病のインスリン抵抗性に関与するが未だ明らかでない部分も多い
インスリン抵抗性はインスリン分泌障害と並んで2型糖尿病の発症進展に寄与するのみでなく,糖尿病の血管合併症の発症進展にも関与すると言われている.そのためインスリン抵抗性に関与する種々の因子を検索し,その治療にあたることは2型糖尿病の発症進展のみならず血管合併症の発症進展を阻止し得る意味で重要である.2型糖尿病のインスリン抵抗性の頻度は人種によって異なる.白人では92%が,黒人(BMI 30未満)では60%がインスリン抵抗性を有しているが,日本人2型糖尿病は筆者らの成績では40%であり,日本人では,白人に比しインスリン分泌障害を基盤にして発症する2型糖尿病が多いと考えられる.実際,糖尿病の前段階であるIGTにおいても日本人ではインスリン抵抗性を有さない群が多い1).
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