特集 経口糖尿病治療薬2016—病態に応じたベストチョイス
Ⅰ鼎談
糖尿病の病態に応じた薬剤選択を考える
新谷 哲司
1
,
坂下 有
2
,
大久保 雅通
3
1松山市民病院内科(糖尿病・内分泌)
2国家公務員共済組合会吉島病院内分泌・代謝科
3内科(糖尿病)久安医院
pp.836-845
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200537
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私が研修医だった35年ほど前は,糖尿病の入院患者さんは概ね「やせ型」で,学会でも肥満者の糖尿病は分けて扱うという主張もあったくらいです.糖尿病の治療薬は,インスリンも「レギュラー」と「レンテ」だけ,経口血糖降下薬は基本的にSU薬のみで,専門医の腕の見せどころはSU薬のさじ加減という時代でした.インスリン分泌不全を呈する患者さんが多かったわけですが,その後インスリン抵抗性が成因の一つとなり,現在はむしろ後者が主流ではないかと感じるようになりました.経口血糖降下薬も増えて,現在7種類もあります.今回の座談会では,いま一度病態に応じた薬剤の選択について考えてみたいと思います.
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