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Updates 2007●糖尿病学の進歩
妊娠糖尿病の新しい知見と勧告―第5回国際妊娠糖尿病ワークショップ会議より
The Fifth International Workshop-Conference on Gestational Diabetes Mellitus
新谷 哲司
1
,
清水 一紀
1
1愛媛県立中央病院糖尿病内分泌代謝内科
pp.635-638
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415100743
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妊娠糖尿病を,女性の活動計画のなかの糖尿病として捉える.
妊娠糖尿病(以下GDM)の病態は,肥満を伴うインスリン抵抗性とそれを補うインスリン分泌の相対的低下であり,まさに2型糖尿病のモデルである.事実,GDMは出産後10年以内に半数以上が糖尿病に移行し,高血糖のまま放置するとβ細胞の機能低下は進行する.そのためGDMの早期発見は重要である.しかし,GDMの初回診断は見逃されることが多く,おおかたの内科医や産婦人科医はGDMの出産後の経過に関心を持たない.
このような問題の背景には,GDMの血糖値の管理目標に明らかなエビデンスが無いことが起因しているであろう.そのためHyperglycemia and adverse pregnancy outcome(HAPO)studyが重要な意義を持つと考えられる.これは,母体高血糖と周産期異常の関連を知ることを目的とした大規模研究で,現在約3万人の妊婦が登録されている.
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