海外文献紹介
Don't Sit!! 立ち上がれ,糖尿病患者!!—立っているだけでも血糖は下がる!
細井 雅之
1
,
薬師寺 洋介
1
,
上野 宏樹
1
1大阪市立総合医療センター糖尿病内分泌センター 糖尿病内科
pp.313-314
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200402
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この論文は,2型糖尿病のハイリスク女性で,ずっと座っているのと,短時間立つだけや歩くだけで,食後の心血管代謝マーカーがどうなるかを直接比較したものです.ずっと座っているのに比べ,30分ごとに5分間立ち上がったり,30分ごとに5分間ゆっくりと歩きまわるだけで,食後血糖やインスリン,遊離脂肪酸(NEFA)は低下していました.
起きている間に座りっぱなしといったエネルギー消費の少ない不動な生活は,(特に2型糖尿病の)有病率や致死率を上げることが近年注目されています.2型糖尿病のハイリスク者は起きている時間の約70%が不動であり,25%が軽い活動であり,中等度〜きつい身体活動(MVPA)は5%未満であるといわれています.最近,健常者や過体重の者で,軽度〜中等度の活動が食後血糖やインスリンを低下させるという報告がありました.今回紹介する論文では,2型糖尿病のハイリスクの者で,座位持続に比べて,短時間の立位や歩行が食後の代謝に及ぼす影響を調べています.
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