連載 ニュースウォーク・245
「サマータイム」で気温は下がらない
白井 正夫
pp.886-887
発行日 2018年10月10日
Published Date 2018/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1664201041
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「今朝,3匹も助けてやった」というのは,集合住宅の階段や踊り場で腹を見せたままの蝉のことである。躯かと手に取ると身動きするから,空に放つと寝起きが悪そうなままに飛び去ってゆく。今夏は夜が明けると身動きできないでいる蝉の数が多すぎる。猛暑のなせる業に違いない。
気象庁が「命の危険がある暑さ。1つの災害と認識している」と緊急警告を発した(7月23日)ほどの夏だった。横浜市郊外の高台にあるわが家はエアコンをほとんど必要としないが,今夏だけはそうもいかなかった。それなりに猛暑を実感しながら「暑さ=蝉」は子どものころから抜け切れない,単純な思考回路なのだろう。
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