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特集 糖尿病患者の健康寿命を延ばす―先手を打つ実臨床
Ⅰ癌で手遅れにしないために
【糖尿病日常診療で無症候性の消化器癌を見つけ出す】
自覚症状(消化器症状)が出る前に糖尿病患者の膵癌を見つける
Early diagnosis of pancreatic cancer in patients with diabetes mellitus
小野 利夫
1
,
薄井 正寛
1
,
池谷 伸一
2
1いわき市立総合磐城共立病院 糖尿病・内分泌科
2いわき市立総合磐城共立病院 消化器内科
キーワード:
①糖尿病先行膵癌
,
②膵癌由来糖尿病
,
③早期発見
,
④スクリーニング
,
⑤高危険群
Keyword:
①糖尿病先行膵癌
,
②膵癌由来糖尿病
,
③早期発見
,
④スクリーニング
,
⑤高危険群
pp.481-484
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101550
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はじめに
糖尿病が膵癌のリスクとなることは多くの疫学研究が示している.日本のコホート研究(JPHC Study,日本人10万人を11年追跡)では糖尿病の膵癌リスクは男性1.85倍であった1).韓国のコホート研究KCPS(韓国人130万人を10年間追跡)でも糖尿病の膵癌リスクは男性1.78倍であった2).東洋人と異なりインスリン抵抗性が主体とされる欧米人では,Benらが35のコホート試験を含むメタ解析で糖尿病の膵癌リスクは1.94倍で,糖尿病発症1年以内の膵癌発症リスクが最も高かったと報告した3).『膵癌診療ガイドライン』(2009年版日本膵臓学会膵癌診療ガイドライン改定委員会)でも膵癌危険因子として糖尿病が取り上げられている.
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