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特集 糖尿病患者の健康寿命を延ばす―先手を打つ実臨床
Ⅰ癌で手遅れにしないために
【糖尿病日常診療で無症候性の消化器癌を見つけ出す】
慢性肝炎・非アルコール性肝炎管理と肝細胞癌早期発見
The management of chronic hepatitis and non-alcoholic steatohepatitis, and early detection of hepatocellular carcinoma
千嶋 さやか
1
,
谷合 麻紀子
1
,
橋本 悦子
1
1東京女子医科大学消化器病センター
キーワード:
①慢性ウイルス性肝炎
,
②NASH
,
③肝細胞癌
Keyword:
①慢性ウイルス性肝炎
,
②NASH
,
③肝細胞癌
pp.486-489
発行日 2013年7月15日
Published Date 2013/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101551
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はじめに
日本糖尿病学会による日本人糖尿病患者18,385例の疾患別死因の調査では第4位が肝癌(8.6%),第8位が肝硬変(4.7%)であった1)(図1).合計すると日本人糖尿病患者の8人に1人は肝疾患で死亡していることになり,糖尿病における肝疾患の管理,肝細胞癌の早期発見の重要性が明らかになった.
わが国の肝硬変の原因疾患の内訳の推移を図2に示す2).C型肝炎ウイルスに起因するものが最も多いが,最近非ウイルス性が増加している.非ウイルス性のなかではアルコール性肝障害が最多であるが,わが国では肥満の急増に伴い非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis : NASH)が増加し,これを基礎とする肝硬変・肝細胞癌が増えている.また近年,肥満や糖尿病がウイルス性肝炎やNASHの線維化進展,肝細胞癌発症に極めて重要な役割を果たしていることが明らかになった.本稿では慢性肝炎・NASHの管理を中心に概説する.
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