特別企画 Master's Case File◆心に残った症例
さまざまな問題を乗り越え,妊娠・出産しえた腎症合併1型糖尿病症例
和栗 雅子
1
1大阪府立病院機構 大阪府立母子保健総合医療センター 母性内科
キーワード:
1型糖尿病
,
糖尿病腎症第3期B
,
持続皮下インスリン注入(CSII)療法
,
不妊治療
Keyword:
1型糖尿病
,
糖尿病腎症第3期B
,
持続皮下インスリン注入(CSII)療法
,
不妊治療
pp.439-441
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101540
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症例の紹介
36歳,女性.6歳時に1型糖尿病発症,22歳時に両眼光凝固療法,左硝子体手術を施行された.この頃から持続性蛋白尿を認め,26歳頃から血清Cr値上昇,強化インスリン療法(R3回,N1回)でHbA1c(以下JDS)6~8%だった.8年前の12月(28歳時)に妊娠の可否についての相談のため,受診された.なお,当センター受診前に数施設で相談するも,「糖尿病腎症のため妊娠・出産は不可能.妊娠・出産がすべてではない.」といわれていた.初診時HbA1c 6.3%,グリコアルブミン(GA)21.7%,尿蛋白83mg/day,血清Cr 1.65mg/dL,Ccr 42.1mL/min,血圧129/92mmHgであった.
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